プログラミング初心者の勉強ブログ #129
オライリー出版の著書『RUNNING LEAN 実践リーンスタートアップ』という本を最近読んでおり、この本にはプロダクトのランディングページ作成についての要点がちらほら書かれている。今回はそれらLP作成の要点をまとめていく。スタートアップ界隈で当たり前のように使われる専門用語がちょいちょい出てくるので、これを機に覚えていく。
目次
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『RUNNING LEAN 実践リーンスタートアップ』
Running Lean ―実践リーンスタートアップ (THE LEAN SERIES)
今回のこの本の内容からスタートアップにおけるLP作成についての内容を抽出して書いていく。この本はリーンスタートアップの概念を実践的に落とし込むための手順が著されている。僕の備忘録であり、内容の整理のために書くものであり個人主観が含まれるので、客観的に判断したい場合は直接本を読むことをおすすめする。
LPはUVP(独自の価値提案)を目的として作成する
この本の中では、「LP=UVP」、LPはUVPであるかのような書かれ方を全体を通してされている印象を受けた。それくらいランディングページの在り方は、プロダクトのUVPを顧客に対して伝えられているかという部分が大事だということ。以下、UVPの作り方についてのポイントを並べる。
※UVP(独自の価値提案):あなたが他とは違っていて、注目する価値がある理由。製品の差別化要因。
UVPは最も重要な課題から取り出せているか
プロダクトのリーンキャンバスにおいて複数挙げた課題のうち、最も重要な課題からUVPを導き出すことが大事。プロダクトの差別化要因が、LPを見た顧客に明らかに伝わるものを選定する必要がある。
リスク検証でLPを使う場合、最もリスクの高い部分をLPに組み込んでいるか
まず「リスク」とは何かだが、理解のためには「不確実」という言葉と対比させるとわかりやすい。
- 不確実・・・確実性のないこと。複数の結果が存在すること。
- リスク・・・損失や失敗などの好ましくない結果になりうる不確実な状態。
リスクとは、不確実な事象でかつ、好ましくない結果になりうる可能性のあるものを指す。スタートアップにおいて、このリスクを把握することが大事であり、最もリスクの高い部分から検証を試みることが必要である。
LPは顧客とプロダクト結ぶインターフェースとなるため、これらリスクの検証を行うことが可能である。検証を行う場合において、リスクの最も高い部分をLPに組み込むことが必要となる。
中間顧客ではなく、選定したアーリーアダプターに刺さった見出しであるか
アーリーアダプターではなく、「中間」の顧客をターゲットとした見出しを作ると内容が薄くなる。スタートアップのPMF前は特に、この中間の顧客に対応できるほど準備万端ではない。そのため、LPのスタンスとして、アーリーアダプターに対して力強く具体的なメッセージを届ける事を目的とした内容を載せることが大事となる。
機能ではなく、利点について説明した内容であるか
起業家はソリューションを考えることが好きな生きものであり、課題解決の方法に目が行きがちである。そのため、本来検証が必須な顧客の課題がおろそかになることがある。LP作成も同様であり、プロダクトの機能よりも利点、つまり、プロダクトを利用したことによって得られるメリット、成功ストーリーに注目する必要がある。顧客の立場になってUVPを考えることが大事。
デモを載せる
リーンスタートアップでは、顧客にソリューションのデモ(動画など)を見せて、本当に課題が解決できるかどうかを検証する。このデモ動画は、LPに投稿してそのエンゲージメント率を計測することで、プロダクトのソリューションに顧客がどのような反応をするかが伺え、こうした方法が手っ取り早いとある。
以下はデモ使うにあたってのガイドラインを並べる。
デモは実現可能でなければならない
デモを見せることは、「こういう製品をと届けます」と顧客に約束することと同じであり、デモと実物に差異が生じていると、正確な検証とならない。
デモは本物に見えなければならない
あまりにもデモを簡略化し、本物に見えなくなってしまうといけない。デモが本物に見えれば、その分だけ正確にソリューションをテストできる。
デモは高速反復させる必要がある
リーンスタートアップでは「高速反復」が大事であり、デモを使った「顧客インタビュー→ソリューションテスト」のイテレーションをできるだけ高速に行うことが適切であるとされる。
デモはダミーデータでなく、本物に見えるデータで動かす
本物っぽいデータを使うようにすることで、画面のレイアウトを考えることができ、ソリューションに物語が生まれる。
マーケティングの観点からみるLPの構成内容
LPには、「素早く訪問者を結びつける」という任務がある。そのための基本要素を並べていく。
独自の価値提案
最新のUVPを配置すること。とにかくUVPを顧客に正確に伝えられるかどうかが大切。
ビジュアルの支援
UVPが顧客に刺さるような視覚的な支援ができるイメージを利用する。画像、スクリーンショット、動画など。
明確な誘導
UVPに強く共感した顧客に対し、単一の明確な誘導をさせる。「Try for free」ボタンを目立つ位置に配置するなど。
もっと詳しく知るための情報
LPとは別にプロダクトについての詳細ページを用意して、そのページのリンクを貼ることや、お問い合わせ先としてフリーダイアルの番号を載せるなど、もっと詳しく知りたい人向けの誘導先を用意する。
社会的証明があるとなお良い
お客さまの声等の「顧客からの推薦の声」や社会的信用の高い組織などの「見たことあるロゴ」など作ること。
マーケティング用サイトを別で用意する場合
製品を売るためには、最初は単なる訪問者としてウェブサイトに到着した人が、プロダクトに興味を持ち見込み客となる、顧客への道筋を表さなければならない(獲得)。そのために、マーケティング用のサイトを用意する。
獲得までの流れは上のような構造であり、各手順にページを割り当てていくことで、顧客の行動を促していく。必要なページは以下の通り
製品概要・詳細ページ
ランディングページが製品を購入する理由を提供するものであるのに対し、概要ページは「あなたの会社から」製品を購入する理由の提供である。製品の特徴や背景のストーリーを伝えるページ。詳細ページでは、技術的な詳細や仕様を説明し、分析や調査を好む顧客に対応できるページを別途用意しておく。動画やスクリーンショットを載せるなども有効な手段。
価格ページ
費用がどれくらいか、プランとしてどのようなものがあるかなどを記載するページ。
利用規約とプライバシーポリシー
ここで問題があると何か起きた時に法律上の問題を引き起きしてしまうため、時間をかけて適切なページを作成する必要がある。わからないときは法律家に相談する。
予告用LPについて
MVPができていないうちは、予告用ランディングページを用意するのも手。LPの主な目的はUVPをチェックすることであり、インタビューできそうな見込み客のリストを作ることである。
見出しにSEO対策のキーワードが入っているか
UVPからSEOの観点でキーワードを選定してウェブサイトを作っておく方が良い。
製品の名前は何にするか
ドメインやSNSアカウントIDなどが取れる製品の名前を考え、取得しておく。UVPのキーワードなどから名前を考える。
最初はUVPのことのみを説明する
予告LPは、訪問者が共感するような課題を提示して、注目を集めることが目的。製品のピッチではない。
基本的なSEO対策
基本的なSEO対策は行う。(titleタグには製品名よりも先にUVPにキーワードを入れる。など)
メールアドレスの収集を行う
「あとで通知」ボタンを設置するなどして、興味を持った顧客のメールアドレスを収集できるような仕組みを作っておく。顧客リスト作成の役に立つ。
ウェブサイトの計測を行う
Googleアナリティクスなど無料の分析ツールで訪問者を追跡する。
まとめ
エンジニアの視点からスタートアップを学習する試み。スタートアップや経営面の知識を持ったエンジニアは希少性があり、自分の市場価値が上がるのではないかという仮説を最近考えたりしている。それこそCTOって感じ。技術を突き詰めることと、多方面の知見を増やすことはトレードオフであり、エンジニアとしてのキャリアを考えたとき、どちらを選択するかは悩みどころな気がする。現状自分はこのざっくりとした2択に対してどちらを選択すべきか決め兼ねている。ここら辺は自分のやりたいことで決めていくしかない。とりあえずやってみることが大事だと思っているが、いつまでも悠長なこともできないのかもしれない。
以上ありがとうございました。